日本発の地域産業が集う、年に一度のカンファレンス&展示会『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』開催レポート

日本発の地域産業の支援活動をサポートする、JAPAN BRAND FESTIVAL 実行委員会は、2023年3月3日(金)〜5日(日)の3日間、渋谷ヒカリエ「8/」(東京都渋谷区)にて、年に一度のカンファレンス&展示会『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』を開催致しました。

11のジャパンブランドが集い、日本発の地域産業の未来を考える3日間に

イベントや展示会、トークイベントなどの活動を通して、人とモノが出会う場を創出し、日本発の地域産業の支援活動をサポートする『JAPAN BRAND FESTIVAL』。今回8年目となる『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』には、国内外から11の企業・団体が集い、さまざまなテーマのカンファレンス、サービスやプロダクトの展示を実施。会期中3日間のオンライン配信は3日間で643視聴(*1)となりました。
*1 YouTube(ライブ / アーカイブ含む)再生回数

 

DAY1 3月3日(金)

▼DAY1アーカイブ映像はこちら
https://www.youtube.com/live/8YFkoWPnSNE?feature=share

初日には全4回のトークセッションとセミナーが実施されました。オープニングセッションは、「JAPAN BRANDの新たな可能性を生み出す 挑戦者と支援者」をテーマに、公益財団法人日本デザイン振興会 常務理事の矢島進二氏をお招きし、JBF発起人である株式会社 ロフトワーク ゆえんユニットリーダーの二本栁友彦と、株式会社 Culture Generation Japan代表取締役の堀田卓哉が登壇し、JAPAN BRANDの現状について触れ、JBF2023の開幕を宣言しました。

株式会社Showyou 代表取締役の久野 真嗣氏は、「京都府:伝産ビジネス支援新拠点「Kyo-Densan-Biz」について〜サポート体制と京都工芸のこれからについて〜」をテーマに登壇。京都の伝統産業が⻑年の歴史の中で培った京都の⽂化⼒を重要な資源として、次世代のライフスタイルや世界市場で存在感を持つ産業(=⽣活⽂化提案型産業)へと変⾰していく為のサポートとして、新商品開発や 海外展開等の新規マーケット開拓をサポートする、伝産ビジネス支援新拠点「Kyo-Densan-Biz」 の取り組みについてと京都の京都工芸の現状などについてお話しいただきました。

続いて、公益財団法人日本デザイン振興会 理事の矢島 進二氏、株式会社 ロフトワーク / JBF共同設立者である二本栁 友彦 をモデレーターに、経済産業省 福島復興推進グループ 福島広報戦略・風評被害対応室 室長補佐の中岡菜々子氏、本田屋本店有限会社 代表取締役の本田勝之助氏、一般社団法人HAMADOORI13 代表理事の吉田学氏、合同会社MARBLiNG 共同代表の矢野淳氏、一般社団法人 Horse Value 代表の神瑛一郎ら7名が登壇し、CO-FUKU PROJECTのトークセッションを実施しました。3月11日の東日本大震災から12年の今年、「福島の復興の過程と今を共有し、他の復興経験地域と共に未来を創造する」をテーマに掲げ、現地の今の挑戦に目を向け、これからの復興に向けた挑戦のあり方や必要な支援についてセッションを行いました。加えて、株式会社くまもとDMC 地域活性推進部 シニアマネージャーの村上貴志氏、神戸市の本田亙氏をゲストにお招きし、異なる地域同士の経験を共有し、より良い未来への宣言をしました。

最後の登壇は、石川県の伝統工芸事業者に対するサポート事業として誕生したプロジェクト「イシカワルクラフト」が、「イシカワルクラフト 石川県伝統工芸の多様性と可能性」をテーマにしたセッションを実施しました。登壇者は、石川県商工労働部経営支援課 伝統産業振興室の稲尾 康一氏、プロジェクトに伝統工芸事業者をサポートする専門家として参画した、株式会社Culture Generation Japan代表取締役 / JBF共同設立者の堀田卓也、PR SHIP代表  / JBF実行委員である寒河江麻恵、所以ブランドデザイン代表の形山佳之氏、株式会社Culture Generation Japan プロジェクトマネージャーの志村聡子氏の4名と、参加伝統産業事業者を代表して、石川漆宝堂の石川稔氏、株式会社かのりゅうの嘉野智啓氏、西山産業開発株式会社の西山博之氏、小山箸店の小山雅樹氏。「プロダクト」「パッケージ」「サービス」「コミュニケーション」の4つの切り口で伝統工芸事業者とともに課題解決に取り組んできた中で、実際に取り組んだ内容と成果についてお話ししました。

DAY2 3月4日(土)

▼DAY2アーカイブ映像はこちら
https://www.youtube.com/live/7dJPRLoOLYA?feature=share

2日目は4社が登壇。トップバッターとして、香港「MATCH SHOWROOM」のディレクターMaggie Lui氏が「香港×日本 コラボレーションブランドの可能性」をテーマに登壇。サスティナビリティを中心にアジア、日本、北欧のデザイナーズブランドを紹介するMATCH SHOWROOMでの事例や経験をもとに、アジア市場の入り口となる香港での可能性および、アジアブランドの日本市場での可能性についてディスカッションを行いました。

次に行われたトークセッションには、愛知県名古屋市が主催する伝統産業の海外進出プロジェクト「Creation as DIALOGUE」から、ミテモ株式会社 代表取締役 澤田哲也氏らが登壇。ヨーロッパを拠点に世界の第一線で活躍する方々をコーディネーター、デザイナーに迎え、名古屋地域に根ざす伝統産業の担い手である5社と共に制作に取り組みを行ってきた本プロジェクトについて、「『手の文化』を名古屋から世界へ。」をテーマにお話しいただきました。

続いて、間も無く100周年を迎える株式会社成島の4代目である成嶋祐介氏が登壇。古今東西のテクノロジーを駆使して、現代人の生活に創り手の祈りをフィットさせたいと考え、雛人形や五月人形の伝統的なものから、最先端の技術、XRや海外とのコラボレーションまで、さまざまな新しい挑戦を行う株式会社成島のこれからのかたちについて、「人形屋ホンポ 伝統工芸3.0」をテーマにお話しいただきました。

最後は、「伝統に革新をもたらし、次代にその価値を紡ぐ人が集まり、実践し、学び合う場」として、2018年より開講している「JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL」によるセッションを実施しました。第4期講師である、ミテモ株式会社 代表取締役の澤田哲也氏が登壇し 、これまでのあゆみを振り返りながら、カリキュラムを一新した「JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL」の概要について説明しました。

DAY3 / 3月5日(日)

▼DAY3アーカイブ映像はこちら
https://www.youtube.com/live/Q60k8_q6lCY?feature=share

最終日には4つのトークセッションを実施しました。焼き鳥を主力商品とした岡山県真庭市の食品加工会社・松川食品の金田久克氏と、日本全国の窯元・陶芸作家の和食器のサブスクリプションサービス「CRAFTAL」を展開する株式会社Culture Generation Japan代表取締役 / JBF共同設立者の堀田卓也が登壇。「消えゆく宝をどうする?」をテーマに、「松川食品」のM&A・事業承継、工場の新設などの事業活動と、「CRAFTAL」事業の話を通して、地域で消えゆく価値を再興していくための価値発信やM&Aの可能性についてトークを行いました。

株式会社ロフトワークが運営する、クリエイティブの力で複雑化する社会課題をオープンにみんなで解決するサービス「AWRD(アワード)」は、株式会社ロフトワーク所属であり、JBF共同設立者の二本栁、JBF実行委員の皆川の2名と、AWRDの松田氏、関井氏が登壇し、「AWRD」のこと、クリエイターと創る地域の未来についてトークセッションを行いました。

続いて行われた、家業イノベーション・ラボとJAPAN BRAND FESTIVAL による、日本のものづくりの欧州進出を支援するプログラム「Craft Runways」のトークセッションでは、株式会社木彫前田工房 代表取締役の前田暁彦氏、家業イノベーション・ラボ実行委員の保谷友美子氏、株式会社ロフトワーク/JBF実行委員 皆川 凌大、株式会社ロフトワークの川原田 昌徳氏が登壇。プログラムを通して、オランダ人デザイナーとともに取り組んできた欧州向け商品開発の話を中心に、商品開発ワークショップや協業についてお話いただきました。

イベント最後のトークセッションとして実施したのは、「これからのJBF」と題した、JBFとJAPAN BRANDの未来を考えるキックオフセッション。JBF共同設立者である株式会社Culture Generation Japan代表取締役の堀田卓也、株式会社 ロフトワークの二本栁 友彦の2名と、株式会社ロフトワーク所属でありJBF実行委員の皆川 凌大、PR SHIP代表でJBF実行委員の寒河江麻恵が登壇し、出展者の方々を交え、今回のイベントを振り返り、イベントを通して見えてきた今後の新たな可能性とこのプロジェクトの在り方について語りあいました。

プログラム一覧

▼DAY1 / 3月3日(金)

・Kyo Densan Biz:「京都府:伝産ビジネス支援新拠点「Kyo-Densan-Biz」について〜サポート体制と京都工芸のこれからについて〜」
・オープニングセッション:「JAPAN BRANDの新たな可能性を生み出す 挑戦者と支援者」
・CO-FUKU PROJECT:「福島の復興の過程と今を共有し、他の復興経験地域と共に未来を創造する」
・イシカワルクラフト:「イシカワルクラフト 石川県伝統工芸の多様性と可能性」

▼DAY2 / 3月4日(土)

・MATCH SHOWROOM:「香港×日本 コラボレーションブランドの可能性」
・Creation as DIALOGUE:「『手の文化』を名古屋から世界へ。」
・株式会社成島 人形屋ホンポ:「人形屋ホンポ 伝統工芸3.0」
・JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL:「JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL 5.0」

▼DAY3 / 3月5日(日)

・松川食品株式会社 × CRAFTAL:「消えゆく宝をどうする?」地域産業の価値発信とM&Aの可能性
・​​AWRD:「クリエイターと共に考え・創る。地域の未来」
・家業イノベーション・ラボ×JAPAN BRAND FESTIVAL 欧州進出支援プログラム「Craft Runways」:「『Craft Runways』成果トーク~伝統産業とオランダデザインで世界に挑む~」 
・キックオフセッション:「JBFのこれから」

展示紹介

展示会場には、プロジェクトやプロダクトを展開する8社のブースを設置し、地域活性・ものづくり・海外展開・伝統工芸などに関心を持つ方々約715名にご参加いただきました。

展示企業一覧

  • イシカワルクラフト
  • 松川食品株式会社
  • 株式会社成島
  • 足立ブランド
  • Craft Runways
  • CO-FUKU PROJECT
  • MATCH SHOWROOM
  • CRAFTAL

今回の『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』によって、地域や業種を超えて、今後の活動を継続的に行っていくために必要な人々、新たな仲間、ユーザーとの出会いを提供し、志のある人同士が繋がりあうことができる機会を提供することができました。この機会が各出展者の可能性を広げてくれるきっかけとなることに期待しております。

 

『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』開催によせて

JAPAN BRAND FESTIVAL共同代表、株式会社ロフトワーク ゆえんユニット組長 二本栁 友彦

8回目の『JAPAN BRAND FESTIVAL』が無事に終了いたしました。関係いただいた皆様、心よりお礼申し上げます。

昨年に引き続き、オープニングセッションの際に、共同発起人の堀田と「今回8回目?9回目?」「たぶん8回目だね。」と、発起人ですら間違えてしまうくらい回数を重ねてきたのを改めて実感。オンラインでの開催も安定感がでてきたこと、登壇いただいた皆様や、会場におこしいただいた皆様とリアルな交流ができたこと、登壇内容がとても挑戦的で未来を感じるものが多くなっていること。世の中の状況が次のステージに向けて動き出していることを感じ、JAPAN BRAND FESTIVALが担うべき役割を問い直す時期に来ているなと感じています。これからの時代に必要なことを、もっと多くの繋がりが価値を生み出していくシーンをデザインできるように、『JAPAN BRAND FESTIVAL 2024』を皆様と笑顔で迎えられるように、しっかりと歩んでいけたらと思っています。また会場で皆様とお会いできるのを楽しみにしております。

JAPAN BRAND FESTIVAL共同代表、株式会社Culture Generation Japan 代表取締役 堀田 卓哉

本年も無事に『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』を開催することができました。出展団体の皆さま、実行委員会の事務局メンバー、関係各位に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

今回は、4年ぶりにカンファレンス会場を開放し、登壇および来場いただいた皆様とリアルに交流をすることができ、主催者としても多くの学びを得ることができました。コロナ禍において育まれた知恵が、新たな挑戦の萌芽につながっており、JAPAN BRANDを取り巻く環境においても、新たなプロジェクトや場が一気に増加してきました。その中で、JAPAN BRAND FESTIVALが提供できる価値は何なのか、しっかりと考え、2024年の開催につなげたいと思います。また皆さんと来年お会いできることを楽しみにしております。

『JAPAN BRAND FESTIVAL 2023』開催概要

名称:JAPAN BRAND FESTIVAL 2023
会期:2023年3月3日(金)〜3月5日(日)
時間:11:00〜20:00 (最終日のみ19:00まで)
会場:渋谷ヒカリエ「8/」 COURT・CUBE、およびオンライン会場(Youtube)
住所:〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 8F
料金:入場無料 *一般来場可能 
主催:JAPAN BRAND FESTIVAL 実行委員会
後援: 日本貿易振興機構(ジェトロ)、一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会、全国商工会連合会
シティーパートナー:東急株式会社、渋谷ヒカリエ8/
URL:https://jbfes.com/festival2023/

 

JAPAN BRAND FESTIVAL について

JAPAN BRAND FESTIVALとは、ジャパンブランドに情熱を傾けるすべての人と人を、有機的につなげるためのプラットフォームです。組織や所属にとらわれず、イベントや展示会、商談会などのリアルなコミュニケーション、Webサイトでの情報発信など、あらゆる拠点と連携、活用しあうことでジャパンブランドに関わる方々にとって必要なネットワークを構築し、新たな価値を生み出します。これまでの主な活動は大きく以下4つとなります。
・年に一度のジャパンブランドイベント「JAPAN BRAND FESTIVAL」の実施
・対話型プレゼンテーション&交流会「TALK SALOOOON(東京ミッドタウン・デザインハブ)」の実施
・全国の中小企業のための勉強会「Knowledge CAMP」の実施
・グローバルマーケット(海外)への展開サポート
WEBサイト:http://jbfes.com/

 

イベントに関する問い合わせ先

株式会社 ロフトワーク 担当:皆川
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア9F
050-3825-3088
info@jbfes.com

 

報道関係者からの問合せ先

JAPAN BRAND FESTIVAL実行委員会 PR事務局
PR SHIP 寒河江
090-1062-5159
asae.sagae@gmail.com

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トークイベント・事業者向け勉強会や商談会と行ったプロジェクトを通じて、マッチング支援や海外展開支援など様々なサポートを行っています。

  • Point.01

    イベントへの参加や登壇者との交流を通じて、情報発信・業界トレンドの情報収集ができます。

  • Point.02

    商談会や交流会、オンラインセミナーなどを通じて、協業を求めている事業者や、自社事業に活用可能な取り組みと出会えます。

  • Point.03

    海外で活躍するパートナーと共に、マーケティングやプロモーション、商談会など、海外展開を成功に導くためのアプローチを仕掛けていくことが可能です。

お問い合わせ

イベントやプロジェクトに関する
お問い合わせは下記のメールアドレスから
ご連絡ください。

株式会社ロフトワーク

〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア8F/9F/10F
TEL:03-5459-5123
担当:二本栁 友彦

株式会社Culture Generation Japan

〒103-0006
東京都中央区日本橋富沢町11-6 英守東京ビル6階
TEL:03-5614-0111
担当:堀田 卓哉