去る2020年9月2日、今年度のJAPAN BRAND FESTIVALの活動の皮切りとして、TALK Saloooon Vol.10をオンラインにて開催しました。初めてのオンライン開催となりましたが、70名を超える方々にご参加いただきました。
冒頭では「みなさんのお仕事を教えてください!」ということで視聴者の皆さんにアンケートを行いました。トークテーマに関連してクリエイター職の方と事業経営者の方が特にご参加いただいたようでした。ありがとうございました!
事業者さんの長所を生かして物語のあるプロダクトを生み出す
ゲストスピーカーはプロダクトデザイナーの辰野しずかさん。トークテーマである「“モノ”を買うから“物語”を買う〜選ばれ続けるブランドに必要なデザインとは?」に関連して、「mg&gk」「grad.」や「KORAI」などの最新事例をご紹介いただきました。
辰野さんはロンドン留学の経験から、自身の中にある日本文化や物作りへの思いを発見、独自で学び、日本の工芸や文化などの魅力を海外に発信したい、後継者不足などにより消えゆく伝統工芸に対してデザインで貢献したいという思いを抱いて独立。デザインの際には「長所を生かして、伝えていく、つなげていく」ことを大事にされていることをお話いただきました。
今回ご紹介いただいたプロダクトも、事業者さんの人柄やその土地ならではの特徴や長所を生かして抽出された「背景の物語」が込められた商品でした。
後半は、辰野さんに加えてモデレーターとして参加のJBF共同代表の堀田卓哉と二本栁友彦の3人でのクロストークを実施。視聴者のみなさんから頂いた質問も交えつつトークが交わされました。
出口を見据えたトータルブランディング。
堀田:お話を聞いていて、辰野さんのお仕事は幅がすごく広いなと思いました。今後はトータルプロデュースをやっていきたい、またはプロダクトのデザインに集中したい、などありますか?
辰野:トータルプロデュースになる理由は、やらざるを得ないからなんです。プロダクトはそれを作っただけでは売り上げに繋がっていかないので、どうしても色々とやる必要が出てきてしまう。プロダクトのデザインが生まれる時に、根本的なところから作るような工程を踏むために、どうしてもブランディングに関わってきてしまいます。そういう点ではブランディングというところは避けられない事が多いのかなと思いますね。
生み出された物語をどう伝えていくか。
二本栁:辰野さんは物を作るだけではなくて、「出口を見据えてモノを作っていく」だとか、そこへ届けるには「言葉」を意識されているように思います。
先ほどのプロジェクトも、ネーミングが全て素敵だなと思っていて。そういうものをちゃんと考えることで、どういう人にどう届けていきたいのか、先ほど「背景の物語」という言葉もありましたが、トータルで考えることが今本当に必要になってきているなと感じています。
堀田:これだけモノがあふれている中で、新しいモノを作る意味についていつも考えていたのですが、例えば「KORAI」はコンセプトである「日本の涼を届ける」を表現している。「涼」って届けられないんだけど、その物語を伝えることでモノの見え方も変わってくる。今日辰野さんの話を聞いて、そこがすごく腑に落ちました。
物語の根元は事業者さんの長所や伝統技術の魅力など本人たちでは見落としがちなものかもしれません。その魅力をひとつずつ紐解いて新しい見え方に編み上げていく辰野さんの真摯な思いが伝わってくるトークセッションでした。
モノが溢れている現代社会。モノの有用性だけではなく、「どこで、誰が、どんな思いで」作り上げたか「背景の物語」を伝える。そうすることで作り手も買い手もプロダクトを通して豊かな体験を得られるのではないでしょうか。オンラインでコミュニケーションを取ることが当たり前になってきた昨今。物語の重要性はますます大きくなりそうです。
Knowledge CAMPは「今とこれからを生き抜く知恵」を学ぶプログラム
クロストークの後には、今年度から新たにはじまるJBFのスピンオフプログラムKnowledge CAMPの説明を行いました。
Knowledge CAMPは、全国の中小企業の事業者を対象に全6回のオンライン講座を通じて「今とこれからを生き抜く知恵」を学ぶプログラム。
各回テーマを設定し、各部門のエキスパートを講師に迎えて、事業者の方々が事業継続のために今日から活用できる知識やスキルを実践にて学んでいきます。
Knowledge CAMP参加事業者のみなさんに向けてメッセージ
堀田:Knowledge CAMPは事務局が一丸となって、参加事業者様のバトンを渡して、それをみんなで磨いて、JBFや京都ギフトショーという舞台で、お披露目の場を持ちたいなと思っています。まだまだ絶賛募集中なので是非ご応募お待ちしております。Knowledge CAMPに参加したプロセス自体が辰野さんがおっしゃった背景となる物語になればいいなと思います。
二本栁:JBFは今まで、民間で何とかプラットフォームを継続してやっていけないか、と考え自分たちの運営の中でできることをやっていました。しかし、このような状況になり、皆さんの為に僕らが少しでも力になれないかと、今年度の活動に関しては補助金をいただきました。皆さんが参加いただく受講費や交通費は補助金を活用しています。
Knowledge CAMPは、Knowledge CAMPを本当に活用したいと思っている皆さんとチャレンジしたいと思っています。経験は問わず。私たちは皆さんのチャレンジを後押ししていきたいです。今回都合上ご参加頂ける数が20社ですが、その20社の皆様と共に行った過程が、またその次に続く方達に向けて良いナレッジとして共有し、しっかりとその先を一緒に作っていけるところまでを見据えていきたいと私たちは考えています。チャレンジができる皆さんとご一緒できることを本当に楽しみにしております。
応募締め切りは9月18日!
knowledge CAMPの応募締め切りは9月18日となっております。
新たなチャレンジを考えている事業者のみなさん、一緒に最初の一歩を踏み出しましょう。
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